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私学マネジメントニュース(メールマガジン)配信

私学経営もスピードが問われる時代。教育や学校経営に関する最新情報は常にチェックし、自校の経営に活かす必要があります。
そこで、本協会では会員校向けに隔週のメールマガジンを配信。中高大の入試動向や教育行政の動き、人気校の気になる取り組みなど旬の情報をタイムリーにご提供します。

メールニュースサンプル (2021.2.17 配信) Comeカム私学 近畿大学附属中学校

21世紀型スキルの育成を目指した教育改革

〜新学習指導要領改訂の一歩先を行く近畿大学附属中学校に注目〜


みなさまこんにちは。神戸研究室の藤澤です。関西では1月に中学入試が終わり、現在は高校入試を控え、各校準備を進められています。緊急事態宣言下という非常に特殊な環境でしたが、関西の中学入試では、大きな問題が起きたという話は聞こえてきません。受験生の皆さんがここまでの頑張りをしっかり発揮できたであろうことに、私たちもホッとしています。これも、いつも以上の配慮と、労力をかけて準備されてきた先生方の汗の結果だと思います。私たちも先生方に負けないよう、全力でサポートしていきたいと思います。

さて、今回は大阪にあります、近畿大学附属中学校に注目したいと思います。
既にICTを積極的に活用されている学校として、全国的にも有名な学校ですのでご存じの先生方も多いと思いますが、今、新しく「チャレンジ21st Century」という改革に挑まれています。
21世紀型スキルの育成を目的に、新学習指導要領の改訂よりも一歩速い取り組みをご紹介します。

「21世紀型思考力の育成にむけての新たな学び」を実現させるべく、スタートされたこの改革。その柱は「授業」「評価」「教育課程」の三本立てとなっていますので、順番に見ていきたいと思います。

まず「授業」では、ICTの活用は当然として、「知識・技能」だけに偏らず、「学んだことをどう使うか」、「どのように社会や世界と関わり、よりよい人生を送るか」までを考え、探究的な学びやアクティブラーニングなどの新しい学習手法を、全ての授業に取り入れられています。生徒同士が教えあい、時には生徒が問題や小テストの作成を行う授業が既に展開されています。新しい授業スタイルも既にある程度、学校全体の経験として蓄積されつつあるというのは驚きです。

また、「授業」の改革に合わせて「評価」の手法も変化しています。「生徒の成長には自己肯定感が必要」との考えの下、通知表を点数で評価し順位をつける形ではなく、学びの目標と達成度に応じた評価へ変更されました。はじめは大変だったとのことでしたが、段々と定着しつつあるようです。こうした評価方法の変更は他校でもまだあまり例がなく、生徒さん達の変化が楽しみな改革です。

最後に「教育課程」ではカリキュラムを大幅に改定されました。「総合的な学習の時間」を使い「総合表現」「総合探究」という2つの科目を設定。「総合探究」では、社会・世界とのつながりの中から考え、発信するプレゼンテーション能力を育成します。「総合表現」では、6年後の卒業論文を見据えて、言語活動のトレーニングを中学1年生から開始します。中学3年生では、My Storyという授業があり、1年間かけて自分史を作成するという面白い授業も用意されています。

元々、近畿大学附属中学校では、医薬コースの病院見学会や、全コース対象の理工学部実験実習などの体験学習の機会が、中学1年生の時から用意されており、キャリアデザイン教育に非常に力をいれておられる学校でもありましたが、今回の改革によって、こうした体験学習で見つけた生徒さん達各々の夢の実現が、より具体的かつ強力にサポートされていくことになるようです。
先の先を見据えた改革の今後の展開に注目です。

コアネット教育総合研究所 神戸研究室 藤澤憲人